Sunday, September 22, 2013

英雄の哲学:TMスティーブンス(前編)


ファンクマスターTMスティーブンスに出逢ったのはもうかれこれ13年以上も前になる。

最初の出逢いは俺をこの世界に導いてくれた師匠でもある山本政志監督との仕事だ。

師匠との縁がなければTMとは出逢っていない。

そう思うと師匠には本当に心から感謝だ。


3週間程前に俺は久しぶりにTMに逢いに行った。

家まで行くのはもう何年振りだろうか?

TMはニュージャージー州の南のロングブランチと言う海の真横の街に住んでいる。

綺麗な街で多くのミュージシャン達が住むエリアとして知られている。


『ベースの神様』の家の壁に飾られてある様々な英雄達との軌跡。

80〜90年代の音楽シーンを一線で走り続けた英雄の哲学がここに刻まれている。


約8年振りに訪れたTMの家。

かつて俺がまだ今の世界で飯が喰えない頃よくここに遊びに来て泊って行ったのを思い出す...

どうする事も出来ない時の流れに思わず胸が熱くなる。


お互いの近況報告と思い出話で盛り上がる中、2回のスタジオの機材ルームに足を運ぶ。

レジェンドが使うアンプやベースが目に入ってくる。


『Junji、ちょっとこれ持ってみなよ』とTMが笑いながらこのベースを渡してくる。

TMスティーブンスのシグネチャーモデルのダブルベースだ。

とても高価な物に間違はいない。

『いや、いや、こんなヤバいもの持ったらまずいって』

『いいから肩から担いで弾いてみな』

弾けもしない俺は仕方なくも音だけ出してみる。

『それでいいんだよ。Now, you are playing!!!』

とTMが大笑いをする。


『ちょっと貸してみな』

そう言った瞬間もの凄いインプロでベースを引き出したTM。

まるでファンクマスターが今なお健在である事を証明するかのように。


英雄の歴史が刻まれているベース。

やはり渋い。


次にTMが弾きだしたのが最近Warwick社が造ったTMスティーブンスのシグネチャーモデルのアコースティックベース。

ベースにペイントされているのは彼自身のポートレート。

これもまたとんでもない高額な物だ。

これもやはり渋い。

何の自慢話もなく自然体で大笑いしながらこの部屋で語る俺達。

そこにあるのは『絆』という言葉だ。






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